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デサントのTOB(後編)

 もともと、デサントは、石本家が創業者です。私が働いていた頃も、石本氏が従業員として働いていました。立場上、それなりの注目を浴びるのは当然ですが、良い評判、悪い評判ともにある、平社員でした。
 当時のトップは、石本一族ではなく、住友銀行系列の方です。住友銀行は、デサントの大株主ですが、伊藤忠商事には遠く及びません。伊藤忠商事は、TOB発表前で、3割の株式を保有する大株主でした。それだけでなく、業務面でのかかわりも深かったのです。

 私が働いていた頃も、海外商品の取り扱いについては、伊藤忠商事を介して行うことが多かったように思います。私の経験した範囲でいうと、海外の会社が作った商品を、伊藤忠商事経由で輸入して、自社ブランドの商品として売っていました。詳しくはわかりませんが、海外ブランドの商標自体の購入、あるいはライセンス契約なども、伊藤忠商事を介していたのではないかと思います。
 内部の人間にしてみれば、ほとんど「親子会社」という印象です。ただ、正直に申し上げると、そういったことができる人材は、デサント内には、ほとんどいませんでした。BtoCのビジネスモデルのため、消費者に対する知名度は高かったのですが、そういった人材には恵まれていなかったように思います。
 私は、約2年で辞めてしまったので、ここから先は、同期の友人のお話も交えた推測になります。伊藤忠商事は、デサントにとってかなり不利な取引を、別の言い方をすれば、伊藤忠商事にとって有利な取引を、デサント側に持ち込むことがあったようです。こういった取引について、デサント内部にも不満を持つ人もいました。納得がいかなくて、デサントをやめてしまった人もいます。優秀な人材の流出が散見されることで、デサント側が態度を変えていったのかもしれません。伊藤忠商事の言いなりにはならないぞ、と。

 今回のTOBは、市場価格の150%の値段がつけられていますので、おそらく成立するでしょう。伊藤忠商事の株式保有比率は、3分の1を超えることになります。もちろん、50%を超えるわけではないので、ストレートに企業買収とは言えないかもしれません。
 しかし、会社の重要事項を決定する場合、過半数ではなく、3分の2の議決権が必要となる場合があります。これを特別決議といいます。今後のデサントは、定款変更など、重要な決定については、かならず伊藤忠商事の同意が必要になるわけです。
 まあ、このTOB自体、デサント内部の人の反感を買うのではないかと、危惧します。その後、デサントがどうなるか。物見遊山で注目したいと思います。
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